薄毛の原因は人それぞれで、予防法や対策も症状によって大きく異なります。
遺伝的要因もあれば日々の生活習慣が関係する場合もあり、薄毛改善を目指すにはまず自らの薄毛の原因を突き止めることが大切です。
「薄毛が悪化している気がする」
「育毛剤を使っているが一向に改善しない」
このような薄毛のお悩みをお持ちの方のため、この記事では薄毛の原因とすぐにできる対策をご紹介します。
薄毛の主な原因
抜け毛が増えたり薄毛が悪化する主な原因は次の6つです。
- 男性ホルモン
- 遺伝
- 頭皮の血液循環不良
- 生活習慣の乱れ
- ストレス
- 外的要因
ここからはそれぞれの原因をより詳しく見ていきましょう。
①男性ホルモン
薄毛と深く関係する男性ホルモンには、
- テストステロン
- ジヒドロテストステロン(DHT)
があります。
テストステロンは筋肉や骨格など、男性らしい身体づくりに欠かせないホルモンです。
記憶力やモチベーションアップなど精神面にもいいメリットをもたらすもので、別名「モテホルモン」と表現されることがあります。
テストステロン自体は男性の健康維持にプラスの影響を与えます。
しかし、5αリダクターゼと結合した時はより強力な男性ホルモンDHTに変換されるため注意しなければなりません。
というのも、DHTは「薄毛ホルモン」と言われる存在で、成人男性の身体ではネガティブなはたらきをするからです。
DHTをきっかけに発症する疾患にはAGA(男性型脱毛症)や前立腺肥大症、前立腺がんなどがあげられます。
②遺伝
親が薄毛の場合、子や孫にも高い確率で遺伝することがわかっています。
遺伝によって引き継がれるのは、
- 5αリダクターゼの活性度
- 男性ホルモンレセプター(受容体)の感受性
という2つの遺伝子情報です。
5αリダクターゼはテストステロンをDHTに変換させるはたらきをするため、5αリダクターゼが活性しやすい=薄毛ホルモンが生成されやすいと言い換えられます。
さらに男性ホルモンレセプターの感受性が高い人というのは、DHTを取り込みやすい体質です。その結果、抜け毛の直接的原因である脱毛因子(TGF-β)を増加させてしまいます。
③頭皮の血液循環不良
毛髪は血液が運搬する栄養素や酸素をもとに成長するので、血行不良の方は毛髪の成長に必要な栄養が届きにくい傾向にあります。
血行不良の主な原因は運動不足で、身体を動かす習慣のない方は血の巡りが滞りやすい傾向にあります。
また長時間同じ姿勢でいることも血液循環の不良につながるため、デスクワークやPC・スマホ操作も注意すべきです。
④生活習慣の乱れ
栄養バランスの悪い食事や不規則な生活は薄毛を招く大きな原因です。
というのも、毛髪は日々の食事から摂取した栄養をもとに成長します。
よって食事量が少ない、あるいは高脂質・高カロリーな食事が多いと頭皮に十分な栄養を届けられません。
また睡眠不足は毛髪の成長に必要なホルモンの分泌を妨げるため、夜更かしや細切れ睡眠は避けるべきです。
このほか過度な飲酒や喫煙も毛髪の成長に悪影響を及ぼします。
⑤ストレス
「ストレスで薄毛になる」とはよく言いますが、ストレスが薄毛を誘発するのは事実です。
私たちヒトの身体は強いストレスを受けると自律神経が乱れ、副交感神経が優位になります。
副交感神経がはたらくと血管収縮が起こり、先述のとおり血行不良が生じます。
これにより毛髪が十分に成長できず、抜け毛が増えたり薄毛が進行してしまうのです。
またストレスによる皮脂の過剰分泌が頭皮環境を悪化させ、毛穴のつまりや炎症など抜け毛の誘因となることもあります。
⑥外的要因
紫外線や肌に合わないシャンプーなどの外的要因も薄毛の原因の一つです。
紫外線を長時間浴びると頭皮が火傷を負うのと同じ状態になり、乾燥や炎症によって頭皮環境が悪化します。
洗浄力の高いシャンプーも頭皮の水分を奪うので、結果的に抜け毛の増加につながります。
頭皮に負担をかけるという意味では、月に何度もパーマやカラーを繰り返す方も薄毛リスクが高いと言えるでしょう。
薄毛かも?抜け毛が増えたらチェックしたい5つの項目
「以前と比べて抜け毛が増えたかも?」と感じる方は、次の5項目で薄毛のセルフチェックをしてみましょう。
- 細くて短い抜け毛が多い
- 髪質が変化した(ハリやコシがなくなった)
- 生え際が後退している
- 頭頂部の皮膚が透けて見える
- 頭皮がベタつく、あるいは乾燥気味でフケが出やすい
薄毛が不安な方は、まず抜け毛の状態を確認してください。
1本1本が産毛のように細く短いとヘアサイクルに乱れが生じている可能性が高いです。
男性の毛髪は通常3~5年(女性は4~6年)かけて成長するのですが、乱れたヘアサイクルではこの期間が大幅に短縮されます。